2010年9月25日土曜日
屍鬼(二)
怒涛の第二巻
新潮文庫 小野不由美著
「屍鬼(二)」
物語が動きだす・・・
多くの人たちが気づきだす。
これはおかしいと
【簡単なあらすじ】
山入の惨劇をきっかけに外場村の謎の死は半月で七人になっていた。
山入を別にすると死因は不可解であった。初期症状は貧血のようでもあり、夏バテのようでもある。本人の意識はボォーっとしていて応答が鈍い。そうこうしているうちに彼らの容態は二三日も経たずに悪化し多臓器不全で死に至る。
医者の敏夫は伝染病を疑うのだが検査をするのだけれどもどれも陰性であった。またこの一連の死に至る何かに対し、村人たちは夏バテや風邪と決めつけ、すぐに敏夫に診せようとしない。そのくせ多臓器不全で手のほどこしようがなくなってから診せる。そんな村人たちに敏夫は苛立を感じていた。というのも有効な手立てがないことは明らかだったが初期症状で輸血を行えば症状がよくなることがわかっていたからだ。
村の中で多くの死者が出、葬式が村の日常となりつつあった。そんな中、突然仕事を辞めて村からいなくなる者が出始める。残された村人たちは死の蔓延する外場村を恐れて逃げたのだと思っていた。
また若御院と村人から慕われる静信もその寺の僧という役職上、多くの死と対峙し、外場村が異常な状態にあると気づいていた。そして兼正の家の住人である沙子と出会う。彼女は持病で陽の元に出られないのだという。
清信、敏夫、夏野、一様に皆ある言葉が頭に浮かぶのだった。
村は死によって包囲されている と・・・
【読書感想】
物語が大きく動き出すというか坂道を転がる石に加速度がついていくといったところでしょうか。
村では多くの者が死に村のシステムが崩れはじめます。郵便、行政、流通外場村が以下に脆弱であったか。
多くの死に紛れがちだが村では別の失踪が起き始める。これはなにかの暗示なのか?
ドキドキの第二巻です。
物語に引き込まれ次に次にと読み進めたくなります。
また特筆すべきこととして医療描写の細かさが挙げられるでしょう。
例えば貧血の説明では貧血にも種類がありそれぞれ原因と対処の方法が違うなどこと細かく書かれています。その細かさがミステリー小説と思ってしまうくらいリアリティを与えています。
【良い点】
・物語の重要人物が出てくる
・不穏な死に一緒に考えさせられる
・細かな医療描写
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